少々インダクタンスの大きなラインフィルターを持っている。規格は20mH(0.8A)で直流抵抗は0.8Ω。テスターで測ってみたら22.5mH、直列接続では95mHと表示された。
この手のラインフィルターを使って、CW/SSBのフィルターを作る記事を雑誌で見た記憶がある。30mH程のラインフィルタの巻線を直列に接続し120mHものインダクタンスを得ることと、そのインダクタに電流を流すことでインダクタンスを変化させる二つのアイディアでRIGと外部SPの間に設置するAF型のフィルターだったと思う。
以前書いたこと
基礎実験
少々気になったので、雑誌に出ていたフィルターのようにコイルに電流を流してみてインダクタンスがどのくらい変化するか検証してみる。電子μ同調といったところか…。
実験用電源の電圧計をV=mAとして簡易に直読出来るよう抵抗値は1kΩにした。(コイルの内部抵抗は0.8Ωなので無視)
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コイルを直列にしてみる。
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これはすごい!20mA以上の変化量が少ないのは磁気飽和している可能性もある。環境に合わせて抵抗値を加減すれば応用範囲が広がる。ただし、抵抗を通して共振回路に電流を流しているので、Qが下がる可能性を念頭に置かなければいけないと思う。また、抵抗値を下げれば更にQが下がる可能性がある。
電流値が反映されるものか確認するため抵抗を1/10の100Ωで試したところ、3V(30mA)で2mH以下になった。
実験の結果から、コイルに電流を流すとインダクタンスが減るということが確認できた。自己共振周波数よりも高い周波数に同調も可能になるので他にも恩恵を受けられる事が増えると思う。
トロイダルコアでハムバンドコイルを作るときに電流を流す巻線を1本増やす事で同じように電子同調が可能になるだろう。磁束漏れを無視して考えれば、幼い頃に作ったゲルマニュームラジオのコイルのような物でも可能ということになる。
また、大型のループアンテナを作った際にバリキャップで電子同調すると、強力な局の場合バリキャップのVfを超えてしまって使い物にならないという現象を私も経験したが、電子μ同調なら回避出来そうなので実験する価値はあると思う。ループアンテナを作る際は少しでも巻き数を増やすことで高感度にしたくなるが、巻数を増やせば増やすほど浮遊容量が増えて同調幅が減っていく傾向にある。また、これまで自己共振周波数以上の周波数に同調させる方法を知らなかったが、この方法ならインダクタンスを減らすことができるので自己共振周波数以上の周波数への同調も可能になる。ループのエレメントに直接電流を流すか、ピックアップループに電流を流すか、磁場を発生させれば良いというだけならば専用コイルを増設させるという手が考えられる。
CW(BPF)/PHONE(LPF/BPF) Fiter 構想
TS2000の操作範囲は、HPFは〜1000Hz、LPFは1.4〜5kHz、CWのBPFは400〜1000Hzで帯域が50〜2000Hzとなっているので目安にする。
NOTCHの可変範囲は計算上これ以上広くはならないようで、これでは勝手が悪いのでIFで処理したい。OP-AMPでノイズが気になるようだったら、FETで組むのも良いかも知れない。インピーダンスが低くならなければデバイスは何でも良いと思う。
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