2019年12月4日水曜日

分周器



【トランジスタで分周】
 先日のお茶の席で隣になった方に「トランジスタで分周
」と囁いたところ、一瞬考えた後ニッコリ笑って書いて下さった。これを見た時に直ぐには理解できなかったが、左のトランジスタがON/OFF出来る電圧の信号を入れれば成り立ちそう。帰宅してからタイムチャートを書いてみて納得。双安定マルチバイブレーターなんて言葉すら忘れていた。ftの高いトランジスタを使えば専用ICを買わずとも…改めて実験したい。デューティ50%で部品点数の少ない美しい回路。


【7W74で1/2分周】
 面実装部品を使えばDIP変換基板上で構成できる。
 カタログデータは77MHz。




【74HC4017で1/2〜1/10分周】お店の画像を拝借。
 5個で100円。
 デシマルで0〜9までのカウントとキャリーアウトがある。1/2〜1/10の分周が出来る。カウントは0から始まるので、1/2分周する時は出力がQ1でQ2とCLRを接続し、1/9の時はQ8が出力でQ9をCLRと接続。1/10の時はCARRY OUTが出力。リセットしないと全端子が1/10分周になるので、その症状が出たらCLR付近をチェック。

 東芝のカタログデータでは70MHzを超えている。


【74HC4060 1/16〜1/16384】
 14段のFFでとOSCで構成されている。カウンターの出力は4段目からで11段目(1/2048)も出力されていない。

カタログデータでは58MHz。

【74HC4020 1/2・1/16〜1/16384】
 バイナリー14段
【74HC4040 1/2〜1/4096】
 バイナリー12段
  カタログデータでは両者とも73MHz。
・画像の手前側はMOSの4040。分周器として扱えるのは10MHz程度までではないだろうか…。
【74VHC4040】
 機能的にはHC4040と同じで、カタログ上は210MHzとなっているが、仲間内ではマイコンの周波数カウンターにプリスケーラーとして採用した方がいて240MHz辺りまで計測出来たもよう。
 
【74HC390 74AC390】
 BCDカウンター 2回路
・HC MAX84MHz  AC MAX 170MHz
【74VHC393】
 4ビットバイナリーカウンター 2回路
・MAX170MHz



 カタログデータを超える話を聞けば、半分にも満たない周波数でカウント出来なくなる話を聞くことがあって、原因が気になる。実際に我が家で起きている事例をひとつ。TC74HC390をHD74HC390に交換したところ上限が下がった。データシートを見るとTCは80MHzを超えているがHDは30MHz前後になっていた。HCとAC程の差があるようだ。が、これと逆のことも起きてHD74HC390をTC74HC390に交換したところ上限が下がる現象に見舞われたことが有る。ロットの問題などが大きいのかも知れないが、実際に動かして検証してみないと分からないことも多い。

 物理的な実装の問題、電源の質の問題等考えられることは沢山有ると思うが、ここではプリスケーラーの専用品には無いロジックを使った場合のバイアスについて再確認。入力電圧がVccの0.7倍に達しないとHにならないし、Vccの0.3倍以下にならないとLにならないのだから、Vcc5Vの時に1.5V〜3.5VまでVp-pで2V必要という計算になる。1/2Vccになるようにバイアスして2.0Vp-p(0.7Vrms)以上振らないと動作しないと理解している。古くから携わっている方が「1/2にバイアスして1V(おそらくrms)も入力すれば」と仰るのが理解できる。そこまでしても入力電圧が不足する場合なら増幅するなりインピーダンス変換するなり何らかの方法で対策が必要。

 電源電圧を上げて使うと上限も上がるという説を耳にすることもあるが、電源電圧を上げて使う場合や下げて使う場合、閾値(しきい値)が変わることは最低限頭に置いておきたい。

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