2017年10月6日金曜日

ラッチングリレー 駆動回路 ① 超小電力量の恩恵にあずかる

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 思うところあって以前からラッチングリレーを試そうと思っていた。。しかし少々高額な上に入手性に難があるので手を出せずにいた。幸いなことに共同購入の誘いもあり何種類か入手出来たので実験の準備を始める。


現在、3種類入手してある。

左 NRSLD-3V 高感度 1巻1c
中 DS2E-SL2-12V 高感度2巻2c
右 DS1E-ML2-DC6V 標準2巻1c



 先日3Vのラッチングリレーを入手した。データシートを見ると2V程度でも動作する高感度型のもよう。消費電力も少なくエネループ2本でも駆動できるのはありがたい。加えて、ケースが防磁構造になっているようだし、端子間で高周波のアイソレーションが良いようなのでBPFの切り替えには都合良さそう。(どうも”高感度型”などと形容されると”高性能”と勘違いしてしまいそうになる)

今回入手したリレーのスペックの一部
コイル
定格電圧
セット電圧 リセット電圧 定格
励磁電流
コイル抵抗 定格
消費電力
コイル
インダクタンス
最大連続
印加電圧
最大連続
許容電力
DC3V DC2.0V以下 DC2.0V以下 33.3mA 90Ω 100mW 0.037H DC9.0V 1000mW



 ところで…このリレーを駆動する電力量はいかほどのものなのか?NRSLD-3Vのコイル抵抗は100Ωなので、例えば3本のエネループ(1900mA/h)で連続駆動した場合、36mA/hとして50時間ほどで電池が空になってしまう。
 一方都度駆動した場合は、敢えて数字にするなら36mA/ms程で足りることになる。(データシートには”動作時間約1ms”と記載がある)


 駆動する時間だけなら非常に少ない電力量となるので、上手に使って恩恵にあずかりたい。
 ラッチングリレーを駆動する回路だが、オムロンのマニュアルに面白い事が書いてあった。全く頭のいい人がいる。
 まんまコピーするのでは芸がないので、無い知恵を絞って考えねば。


 試しに…実験用電源でコンデンサを充電し、そのコンデンサでラッチングリレーのコイルに触れると…動く。思わず声を出して笑ってしまった。


(A)スイッチでラッチングリレーを駆動する基本的な回路。
(B)Cを充放電する間だけ電流が流れるので少電力化することが出来る。
(C)スイッチをFETに変更。
(D)FETをロジックに変更。

 ロジックでリレーを駆動する場合ドライバーを入れるのがセオリーだろう。それはリレーの動作電流がロジックの出力電流を上回っているかリレーの方が動作電圧が高いケースが多いからだと思う。LEDを光らせるのとはわけが違う。いや…昔はロジックがドライブするトランジスタよりも高価だったのかも知れない。


 実験中にリレーの動作音で気がついたのだが、ロジックの出力インピーダンス(という表現は間違っているかも知れない)が案外高そう。これもリレーを直接駆動するのを避けてきた理由の1つなのかもしれない。そもそも省電力素子として開発されたものだろうから大電流を流すのは苦手なのだろう。


実験中のラッチングリレー駆動回路
 TC74HCU04を使って5Vで実験中。74HCU04の入出力の定格が±25mAなので並列で駆動している。(動作音からすると定格値程は流れてなさそう




 私が試した限りCの値の単位は”uF”なので、電圧や温度で容量が減少して障害が起きる可能性がある。実装する回路の温度を想定しないで”カリカリチューン”してしまうと実装後にリレーが動かないなんてことが起きかねないので、コンデンサの種類も含めて吟味が必要。



 3Vのリレーを5Vで駆動していることもあり、左図のように定格を大きく超えた電流が流れると思うが、非常に短い時間なので問題ないと考える。
 年単位の長期な実験に耐えたなら、自信を持って活用していきたい。





ラッチングリレー 駆動回路 ① 超小電力量の恩恵にあずかる
ラッチングリレー 駆動回路 ② もっとシンプルに
ラッチングリレー 駆動回路 ③2巻線ラッチングリレーのやんちゃな実験構想
ラッチングリレー 駆動回路 ④ フリップフロップ
ラッチングリレー 駆動回路 ⑤ ラッチが外れてステータスが変わるのを防ぐ
ラッチングリレー 駆動回路 ⑥ ロジックよりも高い電圧のリレーを直接駆動する構想。

まとめページ
ラッチングリレー駆動計画 Latching relay drive circuit


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