●海賊放送計画


AM放送の廃止…。

 AM放送を廃止してFM放送に統合する方向で関連団体と政府が調整に入ったという話を聞いた。令和5年から始められるように、令和3年からAM放送を停止する実験を始める…のような内容だった。

 テレビのアナログ放送が終了したのは世間が経験したことだし、個人的にはJJYや灯台放送が停波するのを経験した。海外も含めて短波放送も全滅に近いし数年ぶりに長波を聴こうと思ったら殆ど廃止していたり…。(ラジオ日経の9MHz台が受信できないと思っていたら休止しているらしい)他の国では既に起きていた

 法律によりNHKは放送を続ける義務があるようなので継続すると聞く。また、北海道地区もFMだけにするには範囲が広すぎるのでAM放送は継続するのではないかとのこと。

 
 長波の聴けるラジオはあるのに、聴ける放送がないので送信機を作って気分だけ味わおうと思って始めたが、「使わなくなったAMラジオ」も再利用出来るよう範囲を広げようと思う。
 



海賊放送という言葉を初めて耳にしたのは、その昔…BCLが流行っていた頃ではなかっただろうか…。実際の海賊放送を聴いたことはないが妙にロマンを感じ…以下省略

 自作仲間の忠告もあって…。間違ってもここを見て本格的なゲリラ放送をしようという人は居ないと思うが、巨大な出力を簡単に得られる周波数でもあるので、変調器以降の回路は記載しない。現在の法律では隣の敷地まで届くような電波は出さないほうが懸命。



海賊放送 長波第1送信機計画


【発振器】
 秋葉原の店頭で購入。この出力に変調をかければ長波送信機が出来上がる。もっと低い周波数になるよう分周してしまおうかとも思ったが、この周波数なら我が家の殆どのRIGで受信できる。暫定で。



 CXOにリードを付けてアンテナ代わりにしても、屋外にアンテナを設置しているRIGでは信号を確認することは出来なかった。
 長波は大陸間の通信にも使われたようだけれど、大きなアンテナがあってこそだと再確認させられた。FMトランスミッターなら1m程度のリード線で隣の家まで届いてしまいそうだが、波長1000mの1/1000λでは輻射効率も悪くなるというもの。

【変調部】SBMを作る。
 私は好んでSBMを使う。主要部品はダイオードとフェライトビーズかフェライトコア。今回はAMなのでラフに作っても大丈夫。キャリアを消したいなら特性の揃ったDiを使うべきだと思うが、キャリアの必要なAMなら種類の違うDiでも大丈夫。10D-1でも変調できた。


【変調部の回路】
 雑誌の記事を見ていると「各ポートを50Ωに」と書かれているのを見かけるが理由は調べても分からない。50Ωのケーブルを接続する前提なら簡単に理解できるが…。
 「Diをオンできる電圧のキャリアにDiをオン出来ない電圧の信号で変調すれば良い」と教えてくれたOMが居た。分かりやすい。”同じ電力ではインピーダンスが低いと電圧も低いのだから、ダイオードをオンさせるには余計に電力が必要になる”と考える事が出来る。そうなると少ない電力でダイオードをオンさせるにはキャリアのインピーダンスは高くしたくなる。が、Diのデータシートで順方向電流(IF)と順方向電圧(VF)のグラフも見ずに闇雲に電圧だけ上げるのも…以下省略。


【入出力インピーダンスの測定】
 入出力のインピーダンスは測って決めるのが一番良さそう。以前仲間に教えていただいた方法が一番簡単だと思う。可変抵抗を接続して入力側は最大出力になるように、出力側は無負荷の半分の電圧になる抵抗値を求めればいいらしい。

【キャリアの漏れ対策】
 AMなので関係ない話だが、キャリアサプレッションの数値が悪いなら、Loのレベルを見なおすか(インピーダンスが低いが故にやたら電力が入力されている感が否めない…)、シールドを厳重にする。ミキサーをキャビティー等のひとつの入れ物に入れてOKしているのを見かけるが…効果はあるのだろうか?
 Diを穴に通すように遮蔽したところ効果があった。ここでスイッチしているのだから…以下省略。

【UEWの撚線でSBM】
 最近は”2UEWの撚線”を入手したのでトランスを作るのが楽になった。仕上がり寸法Φ0.3mmほどの撚ってある線をバラして3:2:2や1:3:3のトランスも試している。ダイオードの本数を増やしていくと、キャリアがトータルのVFを超えられなくなりSBMが機能出来なくなるので、巻数比を変えてキャリアの電圧を上げる方法で対処している。撚り線の径が細いのが玉に瑕だが、インピーダンスを上げるような使い方をしているので結果オーライとしている。
【ブレッドボードにてテスト】
 TS2000のEXT-ANT端子に直結。今回は1SS119が余っていたのでSBMに採用。期待通り?SBMのバランスを崩さなくてもキャリアダダ漏れ…。
 FM東京をソースにそのまま変調してみると、TS2000のスピーカーから音楽が流れてきた。高調波を調べてみたところ、614kHz・927kHz・1228kHz・1536kHzで確認できた。何れもしっかり変調されている。これはAMラジオの調整に使うと都合の良い周波数。
 TS-2000はイコライザーの設定がデフォルトのままだとN●Kのニュースのように聞こえるので、R-10000で受信してみるとバッチリ高音まで変調されているのが確認できた。

 ステレオのアンプ等を自作するOMに頼まれてお貸ししたら、中波放送のようにプリエンファシスが無いし、送信のフィルターも入っていないので中波で4箇所聞けると非常に気に入られたようで、帰ってくる気配がない。他のものを作ってプレゼントしないとマズイことになりそう。




AM放送廃止対策 予備実験


 現在長波第1送信機は80.0MHzTOKYO FMを逆補完しているが、AM放送を廃止してFM放送に統合する話は現実味を帯びてきたようなので民放全局を中波に逆補完することに方針を変更しよう。壮大にして無駄な計画になってきた。

 12局を受信するための機材を用意しなければならない。モノラルで良いのだが



【受信機】
 パナガイドと呼ばれる受信機を入手した。工場見学等でアナウンスを聞くのに使われたモノのよう。銘板に[FM 76〜90Mhz]と書かれているが蓋を空けないと選局は出来ない構造。もちろんモノラル。
 電源をつなぎイヤホンで聞いてみるとワイヤーアンテナの効果もあってか在京局は受信できた。とても感度は良いし音も良いことに驚いた。
 沢山あるので在京局全てを個別に受信することが現実的になった。送信機と纏めて4Uのケースにでも収めてしまおうかと考えている。

 ワイヤーアンテナの代わりにF型コネクタをつけて屋外のアンテナに接続。消費電流は3V時におよそ20mA。32Ωのスピーカーがガンガン鳴る。
 密集していて全てのデバイスを確認することは出来ないが、高周波は2SC645で低周波は2SB173と2SB175のよう。


【受信アンテナ】
 現在のダイポールアンテナではヌルに入っている局があるし、複数の受信機に接続すると感度が落ちるのは分かっているので、2基の1λ▽ループをクロスして設置しプリアンプを入れる方向で準備中。


【プリアンプ】
 CATVのラインブースターを入手したが結構多喰らいなので、ノートンアンプを検討中。












海賊放送 中波第1 第2 第3 送信機計画

 民放の停波が始まったらFMから逆補完する予定で。

【中波第1送信機】
1048KHz>1044or1053KHzに調整
【中波第2送信機】
1228KHz>1224or1233KHzに調整
【中波第3送信機】
1536KHz>1530or1539KHzに調整




【変調器までの回路図】













海賊放送 長波第1送信機周波数変更







 189KHzの水晶を入手できた。9KHzステップでも丁度の周波数なので都合が良い。アイスランド国営放送と同じ周波数のようだが残念なことに我が家で聞くことは出来ない。SDRの表示を見るとヨーロッパでは長波は盛んの様子。

 長波第1送信機の307.2KHzは長波放送のバンド外にあたるため受信できないラジオがある。当初は長波第1送信機の周波数を189KHzに変更するつもりでいたが、現在の周波数を分周すると153.6KHzになりバンド内に収まるし、手持ちの19.6608MHzとHC4060で発振し128分周しても同じ周波数が得られるなど目処が付いたので長波第1送信機を153.6KHz、長波第2送信機を189KHzとすることにした。