2019年11月26日火曜日

高周波電圧計を作る。② 方針変更


【回路図 修正1】2019.11.3追記
 50uAと2mAの2パターンの回路。

 本体の入力インピーダンス(分圧抵抗の合計)が10MΩの直流電圧計に方針を変更した。抵抗値さえ間違わなければ、電流計を電圧で使う変換(調整)の他は調整しなくても正確な電圧計になる。はず。(これで電源も含めて2回路のロータリースイッチで間に合う予定。電卓と格闘した甲斐があった)

 また、メーター上の目盛りを交流(高周波)電圧でもそのまま読めるようにするためには、RFプローブ内に4.142MΩを設置すれば、合計で14.142MΩになるので、メーター上に実効値(√2)で表示され、目盛りがそのまま活かせると目論んでいる。

 TC75S54の入力バイアス電流がpA(ピコアンペア)と言う単位なので、単純に入力インピーダンスがTΩ(テラΩ)と…中略…分圧抵抗の電流がTC75S54Fのバイアス電流の1000倍以上になるようにすれば誤差1%以下を達成可能と想定して、GΩ(ギガΩ)とか…中略…以上のことから…以下省略。
 私のテリトリーで実際に入手可能な抵抗器は100MΩ程度のようなので、計算しやすい100MΩ(141.42MΩ)若しくは10MΩ(14.142MΩ)が現実的だと思うが、調べてみたところ141.42MΩだと部品代が結構な金額になるため、14.142MΩの方針で準備を始めた。

【微弱な高周波電圧】
 当初ダイオードのVF以下の電圧は測れないと思っていたが、思い返すとゲルマニウムラジオは回路のインピーダンスが高いほうが感度が良いのだし、今考えると直接関係あるか???だが、以前OMに「ダイオードのVFは対数なんだよ」と言われたことが頭から離れず、内部抵抗を極端に高くして電流が流れないようにすれば、”或いは”プローブにアンプが無くても微小な電圧を測れるかも知れないので、RFプローブにアンプ内蔵は見合わせる。
 今回は抵抗値を計算で求めOPAMPも1倍(ボルテージフォロウ)で使い、微調整はOPAMPとメーターの間の可変抵抗だけという構造にするため、倍率が確定出来ないRFアンプでは(RFアンプ由来の周波数特性も含め)とても都合が悪い。先ずは”或いは”の仮説が正しいか実験し、入力側は弄りたくないので必要が有ればOPAMPとメーターの間で考えることにする。また、直線性などの問題はダイオードに起因することが殆どと思われるので別の機会にする。(候補は複数ある)


【誤差について】
 表示するのはアナログメーターのため1%の誤差があっても針の太さ程度だということ。校正に使うのがテスターだということ。なのであまり精度を上げても読める目盛りがない。手に入る金属皮膜抵抗は1%なので十分だと思われる。
 本体側は丁度10MΩにできそうだし、プローブ側の4.142MΩは3.3M+820k+22kΩの組み合わせでどうだろう。


【ロータリースイッチ ノンショート】
 レンジ切り替えと電源の2回路で足りることになったので手頃なスイッチを使えることになった。ストッパーの位置で接点数を切り替えられるようなので、今回2台とも同じスイッチを採用することができるのでありがたい。


【ロータリースイッチ ショートタイプ】
 ノンショートのロータリースイッチが絶対にダメと言うことではない。1回路を電源と連動していれば大丈夫だと思うが、OPAMPを通電したままレンジ切り替えをするとメーターが振りきることがあった。メーターや回路の保護を考えればショートタイプが安心。

【プローブ】
 テスター棒の先が手に入れば便利だが、手元にはジャンク箱から出ていた1本が最後。今や先の外れるモノは入手困難のようなので、別な手を考えねばならない。現状ではアンプの必要がないので、出来れば小さく作りたい。


以前娘がプローブ作ろうとした時は「有るもので作らなきゃ」などと言って聞かせΦ3mmのUEWで作らせた。これはこれで便利。


 ホームセンターで購入したΦ3mmの銅の棒の先を削り、残りは絶縁のために電工ドライバーのようにチューブで覆う。色を変えれば種類の違うプローブと見分けもつくので良さそう。



【ダイオード】
 今回一番の課題になると思うが、ショットキーでリード付きのRB721Q40や1SS108の他チップの1SS154や等を予定しているが、ゲルマニウムダイオードは候補にない。経験からRB721は1SS108より少々劣るが実用範囲。HN2S01FUは超高感度だが10V以下で頭打ちになるので10Vを超えるレンジがあると都合が悪い。10Vあれば足りるだろうと仰っていた方も居られたが、たとえ1Wでもインピーダンスが1KΩだと30Vを超えるので正直なところ25Vでも足りるのか”?”だと思う。分圧の値を変更するのは簡単だが、ダイオードの耐圧とレンジの問題もあるので、分圧してからダイオードで整流するプローブも考えに入れておいたほうが良さそう。続きは別の機会に。

【ケーブル、コネクタ類】
 プローブに電源が不要なら普段使いのRG174を使う。適合するRFコネクタは持っていないが、このケーブルにはRCAやモノラルミニプラグが一番。




【直流電圧計として校正】
 先ずDCの電圧計として本体を校正する。一番信頼のおけるテスターで測った電圧と同じになるようOPAMPとメーターの間の可変抵抗で校正する。各レンジとも確認して狂っていれば分圧抵抗が間違っていることになる。



【1号本体部半完成】2mAメーター
 内部抵抗約100MΩ。レンジはOFF/0.05/0.25/1/5/25Vとした。





【2号 50uA用回路図】
 出来上がったら譲って欲しいとのお話があり、市販の金皮の温度特性の悪さに項垂れてばかりではいられない。改めて手持ちの抵抗器で温度特性が良い物を探したところ、4.7MΩの金皮が直接火で炙らない限り使えそう。温度特性は+/-100ppm程ではないと思うが、抵抗器を1種類に絞れば温度による分圧の比率は変わらないことと、当初入力インピーダンスを10MΩで考えていたが、100MΩとすれば自信の発熱も少なくなるので良しとしたい。


 次にダイオードの特性を確認して選定・選別する。






つづく。

高周波電圧計を作る。① 予備実験
高周波電圧計を作る。② 方針変更
高周波電圧計を作る。③ 更に入力インピーダンスを高く…。
金属皮膜抵抗 抵抗値の測定 温度特性
検波用ダイオード 高効率。

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